町の電器屋さんで働く意味

大阪の高槻にある、マツシタデンキさんで行われた、感動的なイベントのお話です。
創業41年のお店で、勤続40年という、まさにマツシタデンキさんを創業から支え続けてこられた、佐々木さんというスタッフの方の退職記念イベント「佐々木さんの卒業式」。
私たちは常日頃から、町の電器屋さんは、単に物を売る小売店ではなく、親身なサポートが売りのサービス業でもなく、もっと人間的で精神的な存在だと思っています。
だから、40年もマツシタデンキさんで働き、お客様の暮らしを支え、人生をともに歩んで来られた方の退職は、お客様にとっても重大なできごとであろうと思っていました。
松下社長も、仕事における先輩でもあり、先代の時代から2代目社長へと続く長い歴史を支え続けて来られた恩人でもあり、そんな佐々木さんを大切に思う気持ちをお持ちで、何かイベントをしたいとお考えでした。
そこで、スタッフの皆さんとお客様と一緒に、佐々木さんの人生の節目を祝い、感謝を伝えるイベントとして「佐々木さんの卒業式」を企画することになりました。
お客様にとっては、お祝いしてあげたい気持ちや、これまでの感謝の気持ち、そして卒業される寂しさなど、いろんな感情が交錯して、きっと言葉にできない、超エモい体験になるであろうということは予想されました。
しかし、電器屋さんのスタッフの退職記念イベントなんて、これまで聞いたことがありません。本当にお客様は来て下さるのか、メッセージカードは集まるのか、不安いっぱいで企画、計画、準備、実行と進んでいきました。
それが、、、
蓋を開けてみたら、
なんと卒業式にリアルタイムで出席された方だけでも30名超!
お客様から寄せられたメッセージカードはなんと100枚超!
お客様が続々と集まられて、卒業式前から何とも言えない雰囲気になってきました。
いざ始まったらもう、ヤバい感じになりました。
松下社長は何とかこらえられていましたが、奥様の純子さんや店長店長の美馬さんなどは、さすがに涙が・・・。
そして最後列でビデオを回している私も、涙を拭き拭き、撮影していました(笑)。まぁそれは予想通りですが・・・(^_^;)
もう、店内の空気から何から、本当に言葉にできない心に迫るものがありました。
町の電器屋さんという存在、そしてそこで働くことの意味、そんなものをあらためて考えさせられた体験でした。
佐々木さんの40年は、単に電化製品を売ってきた40年ではなく、単にお客様にサービスしてきた40年でもない。
何というか、お客様の人生とご自身の人生の深いところが繋がって、有意義な人生の時間を重ね合わせてきた、そんな40年だったんだろうなぁと、しみじみと感じました。
そんな仕事って、そうそうあるもんじゃないです。人間らしい、人間にしかできない、素敵な仕事だと思います。
佐々木さん、本当にお疲れさまでした。
そして松下社長をはじめマツシタデンキのスタッフの皆さん、すばらしい場面に立ち会わせて頂き、ありがとうございました。
ちなみに、この卒業式イベントの日は、あの、平昌五輪のフィギュアスケート男子フリーがあった日ですよ。
羽生君と宇野君の金銀メダル獲得の日。視聴率47%だったそうですが、普通だったらそんな日は、家でテレビ見ますよね~。
そんな日に、来店されて、卒業式に参加されて、メッセージカードやお花を持ってこられたお客様がわんさか・・・。
いや~、すごいです。
私たち、(株)南九州デジタル 笑倍繁盛事業部では、町の電器屋さんとお客様の、まさにこういう関係に魅了されて、こういう関係を応援したくて、こんなお店を減らしたくなくて、増やしたくて、この事業に取り組んでいます。
そんな想いをさらに強くした一日でした。
(執筆)櫻木隆志